・事業再生コンサルタントは激務と聞くけど、やりがいってあるの?
・面接対策に使いたいので、現場の人が感じていることを知りたい
・事業再生コンサルタントの悪い部分も知りたい
今回は事業再生コンサルタントとして、身を粉にしていた経験を活かし
皆様へお話できればと思います。
結論から申し上げますと
やりがいを感じる場面はあるが、それ以上に厳しい環境
という感じです。
え、それってやりがい搾取みたいな感じってことですか!
いやそんなことはない!その分自分の力になり、キャリアアップにつながるよ!
さあ見ていきましょう!
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筆者の経歴
- メガバンクへ入行。都内店へ配属。法人担当として勤務。法人部門にて優秀賞を獲得。
- コロナ渦を契機に事業再生コンサルティングファームへ転職。事業財務DD、再生計画策定に従事。
- 製造業や小売業などの計10社以上の再生支援を実施。
- 某大手事業会社へ入社。経営企画としてM&Aや様々な事業の意思決定に携わる。
- リスキリング企業の代表取締役
- Chat GPTの活用に関する本を出版(2024/7)
再生コンサルで磨いたスキルのおかげで今があると本気で思っています
事業再生コンサルタントがやりがいを感じる瞬間4選
顧客に価値のあるアウトプットを出せたとき
顧客に感謝される瞬間とはどんな時でしょうか?
まず一番最初に案件が始まるときは顧客目線では
なんかスーツきて偉そうなコンサルタントがきたわ~
くらいに警戒されることはよくあります。
しかし泥臭く、会社を良くするために色々調査やヒアリングをしていると、顧客も段々と我々を信用してくれます。
その中で数値分析し、顧客が気が付けていない点を改めて共有したときに
「いやぁ、本当にここまでやってくれて感謝です。ありがとう」
と言われる瞬間はやりがいを感じます。
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私が携わった案件で一例をあげると
とある製造業で、製作したマシンを法人向けに販売していました。
当社は利益率の低い製品は販売を避ける
という方針でやっていました。
しかし、外部環境の影響もあり、需要は減少し、減収減益となっていました。
そこで実態解明のため、大量の資料をかき集め集計し、製品別の限界利益率を確かめたところ
実は会社で定めている利益率以下の案件数は結構引き合いがあるが、当社が受託せずに断っている状況でした。
会社では固定費を稼ぐための限界利益という概念が抜けており、あくまで粗利率によって案件受託のフローが組まれていました。
つまり固定費を稼げる案件は取るべきなのに、それをみすみす逃していたという状況です
そんな単純なことですか?すぐに分かるんじゃないの?
再生企業の管理資料はフォーマットが揃ってなかったりするので、集計だけでも大きな作業なんだ。そこを根気強くまとめ上げ、一定のアウトプットが出せたんだよね
最初は期待されていなかったが、徐々に信用され、最終的には顧客の役にたつアウトプットを出せたときが
やりがいを感じるということですね。
銀行を含めたステークホルダーとの金融調整が出来たとき
基本的に債権者は銀行がほとんどです。
事業再生コンサルでは、実態解明のためデューデリジェンスを実施し、それを調査報告書にまとめます。
そして、後日銀行を交え、再生企業の今後の方向性や金融調整について協議します。
金融調整というのは、借入金の返済猶予だったり、場合によっては返済免除にするような調整ということですね。
案件によっては、10行以上の銀行と取引をしており、すべての銀行が納得するような調整をするのはとっても大変です。
直近では、私的整理においては多数決で進められるように法整備が進んでいますが、
関係者が多いとかなり調整が大変なのです。
銀行から重箱の隅をつつくような質問がきても、しっかり回答しないといけないんだ
しかし、地道な銀行との調整であったり根回しを実施した結果、バンクミーティング(債権者会議)において
こちらが出した方針に対し、合意が得られた瞬間はとてもやりがいを感じます。
同時にタフな交渉を通して、自分自身の実績になり成長にもなるので、自身が付く点もプラスです
金融調整や自身のアドバイスを通じて業績が上向いたとき
時間がかかりますが、デューデリジェンスの結果を踏まえ再生に向けた取組を顧客と一緒に取り組んだ結果、
業績が本当に良化した際には、かなりやりがいを感じます。
従業員の顔が浮かんできて、「あーあの人の雇用が守れたんだなぁ」と思います
雇用を守ることは、地域経済を守ることにもつながります。
事業再生コンサルの評判も良くなりますし、良いことですよね。
事業再生コンサルは第三者としての関与となりますが、経営方針にも影響を与えることができる仕事です。
影響力があるという点で、やりがいを感じる人も多いことでしょう
自分の仮説を数字でしっかり証明できた瞬間
これはどのコンサルでも同じですが、デューデリジェンス時にはある程度仮説を立てた上で、数字分析をしていくのが基本です。
なぜ業績不振に陥ったのか
これは事業デューデリジェンスで必ず特定する必要があります。
再生するためには、まず根本を断つことが大事ですし、繰り返さないためにもしっかり原因認識が大事です
デューデリジェンスでは、大量の数字を取り扱います。
すべてをやろうとすると、時間がいくらあっても足りません。
仮説を立てて、それが実際に証明できれば自分が事業再生コンサルタントして、成長していることを強く実感できるでしょう
事業再生コンサルタントのネガティブな点
おっ悪い点も一応教えてくれるんですね
光あるところに影ありだからねー笑
経験談として聞いてね!
長時間労働になりがち
事業再生コンサルタントで、激務じゃない会社ってあるんでしょうか
事業再生がなぜ長時間労働になるのか
コンサルでもホワイトな会社もあると聞くのになぜ事業再生は大変と言われるのか説明します!
1.資料や情報の整理に時間がかかる
すべての再生企業に当てはまるわけではないですが、資料がきちんと整理されていないことが多いです。
・営業管理資料が担当者ごとに違うフォーマットになっており、集計に時間がかかる
・粉飾のための仕訳を切っており、修正に時間がかかる→分析の前提が変わるためやり直し
・資料が紙でしか存在せず、エクセルへの打ち込み作業が発生する
他にもありますが、作業に時間を取られることが多いです。
2.スケジュールに余裕がない
再生企業は業績が悪く、資金繰りが厳しいです。
案件を受けて、このままだと4か月後に資金ショートになります!
のような絶対絶命の企業もあります。
そんな中悠長に時間をかけてデューデリジェンスをしている場合ではありません。
極力早めに実施し、銀行との金融調整をしなければ倒産し、失業者が出たり
銀行側も貸倒損失を被ることになります。
自力再生できるのか、できないのかを早期に見極め、
自力再生することが不可能なのであれば、早めに買い手となるスポンサー探しに動かないといけません。
そのような経営判断を早期に下す必要性があるため、自然と事業再生コンサルタントは忙しくなります
事業運営に精通できる訳ではない
簡単に言うと、事業再生コンサルタントとして優秀でも、経営はできないよ
ということです。
なんでですか!?経営判断に関わっているじゃないですか!
あくまでそれは財務アプローチによるものだよ。経営は実際に自分でやってみないと身につかない経験知なんだ
中小企業の経営者であるのなら、売上高をしっかり作っていくことが必要です。
また人事的な課題がかならず会社経営には付きまといます。
エース級の人材が辞める恐れがある→止める方法はどうする
など業績に影響を与えるファクターは様々です。
財務アプローチだけで会社経営に携わる場合は、CFOポジションです。
しかし、CFOも事業についてある程度見識がないと、CEOとの方向性に齟齬が生じます。
ここで申し上げたいのは
事業再生コンサルタントの議論は販管費以下の部分がメインになってくるよということです。
もちろん分析の結果、原価率を引き下げるアクションを起こすことはできますが、
売上高をあげていくようなアクションは実際のところ難しいものだなと感じる瞬間が
現場では多いと思います。
形式的な営業体制の強化や、クロスセルによる増収という話は実現させるのは、
現実問題、やっても成果がでないケースが多いのです。
事業再生コンサルタントももちろん増収に貢献できるアイデアを出す人はいます!ただ仕事上、そのスキルは身に付きにくいということです!
事業再生コンサルについてもっと知りたい方
- 事業再生コンサルで大変だったこと
- 具体的な業務内容はどんなことをするのか
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もし上記のような疑問を抱えていて、経験者に話を聞きたいという方は下記から面談の調整をお願いします!
また再生界隈のチャットがないので立てました。まだメンバー全然いないです笑
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これまで50名以上の事業再生コンサル志望者と面談をして、ご好評頂いていた筆者が運営するオープンチャットです!
そしてこれから再生コンサルに入社予定の方
財務モデリングやエクセルは準備大丈夫ですか?
Udemyなどいろんなサイトを見てみては、どの講座が良いのだろうと思ったりしていませんか?
私も再生コンサル入社前はそんな感じでした。外資系コンサルのエクセル講座を受けましたが
残念ながら再生コンサルの現場ではあまり役に立たなかった記憶があります。
その経験を踏まえ
これから事業再生コンサルタントとして働くが、財務モデリングをまったくしたことない方は下記の記事で
財務モデリング基礎について実践的な内容を紹介しています。
下記も参考記事です!ぜひご活用ください