・取引銀行に返済猶予(リスケ)のお願いをしたら、中小企業活性化協議会(旧再生支援協議会)へ相談してほしいと言われた
・なぜ銀行は公的機関に相談して欲しいと言うのだろう?その背景は?
この手の質問がちょこちょこ増えているようにお見受けしています。
この記事では
なぜ銀行は協議会へ相談するように言ってくるのか、そもそも相談するべきかどうか
について分かりやすく解説をします。
筆者は銀行員時代に当時の再生支援協議会を活用したことがあり、再生コンサルタントでもあったので背景について十分理解しておりますので、ご安心ください!
筆者の経歴
◇メガバンクへ入行。都内店へ配属。法人担当として勤務。法人部門にて優秀賞を獲得。
◇コロナ渦を契機に少数精鋭の事業再生コンサルティングファームへ転職。事業財務DD、再生計画策定に従事。
製造業や小売業などの計10社以上の再生支援を実施。
◇某大手事業会社へ入社。経営企画としてM&A業務や様々な事業の意思決定に携わる。
そもそも中小企業活性化協議会とは?
中小企業の活性化を支援する「公的機関」として47都道府県に設置されており、全国の商工会議所等が運営しています。 中小企業活性化協議会が地域のハブとなり、金融機関、民間専門家、各種支援機関と連携し、「地域全体での収益力改善、経営改善、事業再生、再チャレンジの最大化」を追求します。
中小企業庁HPより
収益性のある事業を有しているが、財務上の問題を抱えている中小企業者の再生を支援するため、2003年に中小企業再生支援協議会が創設され、長期にわたり中小企業者を支援してきましたが、2022年3月4日に「中小企業活性化パッケージ」が公表され、中小企業再生支援協議会は、経営改善支援センターと統合し、「中小企業活性化協議会」が設置されました。
簡単に言えば、全国各地に設置された、中小企業の何でも相談窓口です
事業再生への相談も従前どおり実施可能です。
事業再生を相談すると、それぞれ担当がおり、基本的にはサブマネージャーの肩書の方が担当してくれます。
元銀行員や、中小企業診断士など様々な人がいます。
なぜ銀行は協議会へ相談するように言ってくるのか
銀行員にとって都合が良いから
これがシンプルな答えです。
銀行では格付と呼ばれますが、取引先ごとに明確にランク分けをしております。
銀行によって変わりますが、下記のような形です。
・正常先(貸倒引当率0%)
・要注意先(貸倒引当率3%)
・要注意先(要管理先)(引当率15~30%)
・破綻懸念先(引当率50~70%)
・実質破綻先(引当率100%)
引用元(https://www.nakae-takeshi-law.jp/cms/knowledge/bankruptcy/restructured-loans2)
要注意先以下は銀行では「貸倒引当金」として費用計上をしないといけません。
要注意先の中でも要管理先になってしまうと、途端に貸倒引当率が大幅に増加します。
こうなることを防ぐ意味でも、協議会への支援依頼をするのです。
えっどういうこと?なんでそうなるの?
要管理先に認定されないための要件が存在するんだ
要管理先として認定される要件は4点ほどありますが、協議会を利用することで避け得るものがあります。
業界では実抜計画(じつばつ計画)と言いますが、
【実現可能性の高い抜本的な経営再建計画】を策定し、それを関係者間で合意できていれば、要管理先認定しない。
正確には、「貸出条件緩和債権とみなさない」ですが、細かいことは割愛します
ということで、みなさんが納得のいく事業再生計画を作成できれば、貸倒引当金を最小減に抑えられるというのが銀行にとっても大きなメリットです
そして、銀行としても出来ることはやってますよ~ほったらかしにしてないですよ~
というお墨付きも公的機関からもらえるというメリットがあります。
極端に言えば、銀行独力では再生できないので、公的機関にお願いしましょう
ということでもあります
一応申し上げておきますと、
ノルマに追われている銀行員にとって再生企業の管理はかな~り重荷です。
上司からは「再生企業なんか事務処理だと思って、あんまり時間かけるな!稼げない先に時間かけてる場合じゃないぞ」と何回も言われました
協議会に細かいところは任せて、稼げる部分に時間を使うというのが銀行員のスタンスです。
協議会に相談しにいくべきか
結論から言うと、取引銀行との信頼関係が一定あるのであれば、相談する必要はありません
銀行にリスケのお願いをした際に、受け入れてもらえるような信頼関係を築けていれば、協議会を利用しなくても良いでしょう。
その代わり、銀行側も審査部への説明が必要なので、しっかりとした計画を作成し提出する必要があります
銀行が求めるものは事業再生計画への信憑性です。中でも2点に注力しないといけません。
- 売上計画の実現性:過去の実績や足元の受注状況から現実的な計画となっているのか(堅実な計画を好みます)
- コスト削減計画:特に経営者自身の報酬や保険積立金などの解約等、身を切ってでも再生したいかという姿勢
逆にこれまで銀行に対して、真摯な対応をしてこなかった場合は、リスケ依頼をしても「どうせ出来ないだろう」と相手にしてもらえない可能性があります。
狼少年と思われていないことは銀行との関係値に大きな影響を及ぼします。
もしあなたが
事業計画の作成ってどんな形式で出せばよいのだろう?どうやって作るの?
協議会に相談したら、どんな流れで進んでいくんだろう。費用はどれくらいかかるのか?
という疑問を抱えていましたら
筆者がカジュアルに相談にお乗りできますので、お気軽にご連絡ください!
筆者自身は、協議会から仕事を受け、中小企業様を支援しておりました。疑問へ全力でお答えさせて頂きます!
必要な方は下記フォームからお問い合わせいただけると幸いです。
経緯についても軽く書いて頂けると助かります!
ってかお金とるんですか!?あなた誰って感じですけど。顔も経歴も分からないですし、、
その点は重々承知しています。そのため極力低価でやらせて頂きます。。謝礼と考えて頂けると有難いです。
銀行や協議会は利害関係者になってしまうので、お気軽に相談しにくいかと思います。
私はあくまで利害関係のない第三者としてのご支援いたしますので、準備なしで相談にお越しいただいて問題ありません。
コンサルタントで上から目線とかそんなことも一切筆者は御座いませんので、安心してくださいね!笑
協議会スキームの乗った場合、どのように案件が進んでいくのか下記にも記載しておりますので、ご参考にしてください