事業再生コンサルタント??なんですかそれ?
簡単に言うと、企業向けのお医者さんです!
・事業再生コンサルを転職先として検討しているけど、業務内容とかよくわからない……
・再生コンサルで身につくスキルってなんだろう
という人にとって有益な記事となっています!
この記事を読めば、事業再生コンサルでどんなことをしていくのか、一連の流れが分かります
さあ見ていきましょう!
筆者の経歴
メガバンクへ入行。都内店へ配属。法人担当として勤務。法人部門にて優秀賞を獲得。
コロナ渦を契機に事業再生コンサルティングファームへ転職。事業財務DD、再生計画策定に従事。
製造業や小売業などの計10社以上の再生支援を実施。
某大手事業会社へ入社。経営企画としてM&Aや様々な事業の意思決定に携わる。
現在は、再生コンサルで磨いたスキルを武器に事業会社でM&A戦略を策定したり、実際に買収検討をしています!
事業再生ってそもそも何するの?
えっ…企業に再生するためのアドバイスをするというイメージしかないですね。違うんですか?
間違いではないけど、不十分だね!これから解説するよ~!
まず下図から事業再生コンサルの立ち位置を確認してみましょう。
少しだけ長くなるので、大体事業再生のことは知っているよ!という方はスキップしてくださいね
上記はあくまで一例です。
基本的に中小企業再生支援協議会(2022年4月から中小企業活性化協議会へ改名)等の公的機関や銀行から案件相談くるケースが大半です。
基本的に第三者からの紹介が多いということですね!
そのため、公的機関や銀行からの信頼を得ている事業再生コンサルは多く案件をもらえるため経営が安定する傾向にあります。
事業再生コンサルってある意味どれだけ銀行や協議会から案件もらえるかが重要なんですね!
で、結局何するんですか??
おっけーです!これから解説するからそんな急かさないで笑
大きく分けると下記の3つです!
- 事業・財務デューデリジェンス(1か月程度)
- 経営改善計画の策定(1か月程度)
- 実行支援・進捗確認(6か月~)※顧客との契約による
これから順番に解説していきます!
事業・財務デューデリジェンス
事業面と財務面について詳細な調査をします。
調査の目的はそもそも自力で再生できるかどうかを明らかにすることです。
いわば再生の方向性を検討するための調査ということですね。
事業デューデリジェンス
事業デューデリジェンスでは、事業構造や事業の採算性を詳細にみていった上で、
・なぜ業績不振に陥ったのか
・再生するためにはどんな手段が考えられるのか
といった点を調査し、レポートにします。
例えば、お菓子製造業を調査した結果
- 売れ筋商品だと思っていた商品Aが実は作れば作るほど赤字だった。
- 会社内で原価管理がまったくなされていなかったため、赤字の流出が続いた。
- 再生するためには、商品Aからの撤退または値上げによる採算の改善を図る。結果的に年間で●百万円の増益効果があります。
上記のような業績改善につながる結論を出すことが重要ですね。
または
『資金繰りがあと6か月で底をつきます。自力再生は不可なので、スポンサー企業の探索を早急にするべきです』というのも1つの結論です。
財務デューデリジェンス
簡単にいうと、再生スタートの出発点をつくるために実態ベースでの貸借対照表作成業務です。
再生する上でのスタート地点をはっきりとさせるということですね!
実態ベースというのは、売れる可能性のない在庫や既に価値が毀損している不動産を現状の価格(実態ベース)に正しく補正するということです。
事業再生には数値基準というものが存在します。『実現可能性の高い抜本的な経営改善計画』を取り上げると
- 経常利益を3年以内に黒字化
- 債務超過の5年以内で解消
- 債務超過解消から10年以内に借入金を返済
という上記の数値基準を満たせそうかが、自力再生できるのかのポイントとなります。
これめちゃくちゃ重要な数値ですよ!
その数値基準の発射台を財務デューデリジェンスにて実態バランスシートの作成を通してつくるということですね。
当然粉飾があればそれも修正します。
経営改善計画策定
上記にて行った事業・財務デューデリジェンスを元に、再生にむけた計画を策定します。
具体的には再生するための施策を積み上げて、それらを実行した場合の財務3表を作成するということです。
・増収施策
・コスト削減施策
上記に関する具体的な施策を積み上げていきます。
そして金融機関にとってはこれらの施策を積み上げた結果、数値基準を満たせるのかどうかが重要なポイントになってきます。
なんで銀行って数値基準にこだわるんでしたっけ??
顧客の債務者区分に関わるからだよ。つまり銀行の業績に直接響いているということ!
銀行は常に貸倒引当金というものを計上しており、顧客の債務者区分(ランク)に応じて、
その引当金を今期どれだけ費用計上するかという決まりがあるということです。
本題に戻りますが、再生計画を作成したら
バンクミーティングという各取引銀行がいる中で、再生計画についてOKがNGかの同意を取る会議が開かれます。
ここで銀行が、「OK!それで行きましょう」となれば
借入金の返済をストップし、顧客が経営改善に注力していくことを支援していくという流れになります。
案件によっては、借入金をカット(債権カット)などの計画を策定する場合もありますが、基本借入金のストップが多いです。
債権カットは銀行からすれば、貸したお金が一生かえってこないということですからね、、
実行支援・進捗確認
計画作ったし、バンクミーティングもクリアした!
終わりだー!飲みいってきてよいですか??
こらこら、事業再生で一番大事なのはここからだよ!
計画をしっかり実現していくことが大事なんだ
事業再生コンサルとしてはここまでがかなり大変です。
工数もかなり使って、事業財務デューデリジェンス、経営改善計画の作成をしてきました。
しかし、計画を実現できなければ所詮絵にかいた餅なのです
計画を実現するために経営者と伴走していくことが大事かつ大変です。
具体的に行う業務は
- 金融機関に提出するための業績の計画対比の進捗を作成する
- 経営者と定期的に営業面やコスト削減に関する進捗会議
- 金融機関とのやり取り
ですが、とにかく重要なのは計画を実現させるために経営者と伴走していくことです
中小企業の業績不振の大きな要因の一つは経営者が原因といっても過言ではありません。
経営者があきらめれば、それは従業員に伝播します。経営者に火をつけて最後まで走り切っていく粘り強さが必要です。
わかりやすい図があったので参考に貼っておきます。
事業再生コンサル実務で身につくスキルセットは?
高いハードスキル
デューデリジェンスや計画策定において、財務数値や顧客の管理数値の整理は常に付きまといます。
顧客からフォーマットがバラバラであったり、数字の正確性に欠ける資料がでてくるため、
それらを整理し、レポーティングする際はかなり細かいエクセル集計術が必須となります。
再生計画を策定する時には、財務モデリング技術も必要なため
エクセル技術は各段にアップするでしょう
またデューデリジェンス結果は、金融機関向けに報告資料として提出します。
したがってPowerPointについてもかなり鍛えることができます。
ファイナンススキル
主に財務会計の知識が身につくでしょう。
仕訳日記帳を基に財務3表を作成しにいくため、仕訳取引がしっかり身についていないと
業務上かなり厳しいです。
また同僚には公認会計士がいることが多く、仕訳ベースでの会話は基本です。
ある取引があった場合
「借方は●●で貸方●●だから、BS上は〇〇という載り方をしていないとおかしいよね?」
といった感じで普通に会話してきます。
この仕訳の洪水に溺れることで、自然と会計知識が身についていきます。
再生計画策定を財務3表、場合によっては資金繰表を作成するので
財務モデリングもかなり向上することでしょう
分析力・ロジカルシンキング
デューデリジェンスの大事な目的の一つは
なぜ業績不振に陥ったのかの原因を特定することです
売上高が落ち続けている→販売量が減少傾向→大手顧客A社からの取引量が特に減っている→納品商品の中でもB商品が減少している→競合企業がB商品よりも安価かつ高性能の商品をA社に納品している→企業として特に何もしてこなかった
上記は一例ですが、数字を分析していく中で、なぜ減収しているのかをあらかじめ仮説を立てた上で、
現場では分析をしています。
再生コンサルあるあるが、数字分析を続けていると、数字の海に溺れてしまい、
表面的な分析に終始してしますというリスクがあります。
顧客は高い費用をコンサルに払っているので、数字見れば誰でもわかるような分析結果ではバリューが出ないです
したがって現場では、仮説を立てた上で、仮説を立証するための数字検証、関係者ヒアリングなどをしっかりしていくことが重要なのです。
その過程では、ロジカルに事実を分解し、納得感のある分析が求められます。
したがってコンサルならではのロジカルシンキングや分析力を鍛えることができます
コミュニケーションスキル
顧客と銀行、場合によっては顧客の株主などとのステークホルダーと
再生の局面によっては厳しい交渉する場面がでてきます。
銀行にとっても、担保を得ている銀行や無担保の銀行もあるので、利害に差がでてくる場合があります。
社長も6か月後に会社の資金繰りが立ち行かなくなるのに、役員報酬を1千万もらったりしているし
コスト削減の計画を立て、銀行に合意してもらったのに、コスト削減を実施しないということもあります。
その際、事業再生コンサルタントには、しっかり計画を履行するように、顧客を説得するというミッションも課せられています。
ステークホルダーとの利害調整は確実に発生するので、そういった調整スキルも身につくことでしょう!
労働への忍耐力
こちらは、半分ネタで半分本気です。
事業再生コンサルタントはコンサル業界の中でも、激務に定評があります。
土日返上で働くことも良くありますし、土日休みでも、仕事が頭から離れなくなります。
まだあの分析が終わってない、、来週寝れるかなぁ
という感じです笑
ただ、筆者がまさにそうですが、事業再生コンサルを一度経験すると
他の職場にいったときの身体的に楽に感じます。
どの職場に行っても、ホワイトだなと感じる方が多いです
したがって次の職場での幸福度が上がります!
事業再生コンサルを経ることで、労働に対する忍耐力が上がるということです
まとめ
ここまで事業再生コンサルの具体的な業務や、身につくスキルセットについて解説してきました。
事業再生コンサルに興味があるけど、ぶっちゃけどんなことするのかイメージが湧かない
選考中だし、社員とのカジュアル面談だと労働時間とか色々質問しずらい、、
もし上記のような課題を抱えていて、経験者に話を聞きたいという方は筆者の話でよろしければなんでもお答えします。
- 事業再生コンサルで大変だったこと
- 具体的な業務内容はどんなことをするのか
- 働き方を詳しく聞きたい
- 次のキャリアでどんなことを活かせるのか?
私が話せる範囲でなんでもお答えします!が費用が発生します、、!
30分で3,000円
と設定させていただきます。
まずお前誰やねんって感じなんですが。しかもお金とんのかい!
申し訳ないのですが、少しだけ謝礼という形で頂きます、、
誰も問い合わせ来ないだろうなというダメ元でやってます
もし、誰も事業再生コンサルタントへのツテがなく、話を聞ける人がいないという方向けです。
おそらく他のサービスで同じようなことができるとは思いますが、プラットフォーム手数料を考えると、割高になりがちです。
なので、できるだけ費用負担を押さえるため、直接やり取りできればと思っております。
下記ボタンから問い合わせフォームから面談の旨お伝えいただけると幸いです。
もしだれかが来られたら、全力で対応します、!